英単語の本を買ったのに、3日で止まってしまった。そういう相談を、私はいちばん多く受けます。
私は英語を教える側にいるコーチで、社会人の方の学習設計を仕事にしています。
この記事では、文部科学省の学習指導要領と、英語コーチング各社の公式サイトに書かれている内容を2026年9月11日に確認したうえで、英単語の覚え方を手順の形に並べます。
公式に書かれていなかったことは、それらしい数字で埋めずに飛ばします。出典のURLを出せない語数は、この記事には書きません。
金額はすべて各社の公式表記どおりに引き、税込か税抜かを毎回添えます。
読み終えたときに、「自分は何語を目標にして、1日に何語を、どういう回し方で覚えるのか」が数字で決まっている状態を目指します。
【結論】英単語の覚え方は「語数を決める→音とセットで入れる→使う場面で回収する」の3段です
結論から書きます。英単語が続かない人のつまずきは、覚え方そのものではなく、その手前の「どこまで覚えれば終わりなのか決めていない」ことにあります。
終わりが見えない作業は、量が多いからではなく、進捗が測れないから止まります。だから最初に語数を決めます。
| 段 | やること | 決める数字 |
|---|---|---|
| 1段目|語数を決める | ゴールの総語数と、そこまでの日数を先に置く | 総語数 ÷ 日数 = 1日の語数 |
| 2段目|音とセットで入れる | 意味だけでなく、音声を1回は必ず再生する | 1語あたり数秒(意味+音) |
| 3段目|使う場面で回収する | 読む・聞く教材の中で同じ語に再会させる | 1週間で1周する周回数 |
この3段のうち、日本の社会人がいちばん落としているのは2段目です。意味は言えるのに音が入っていないので、読めば分かる英単語が、聞くと分からないままになります。
この点は、英語コーチングの各社も公式サイトで同じことを書いています。具体的な記載は、この記事の後半でそのまま引用します。
英単語は何語必要か|文部科学省の学習指導要領が示している語数を並べました
まず1段目の「語数を決める」です。ここは感覚ではなく、公的な文書に数字があります。
文部科学省の「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」には、中央教育審議会が整理した語数として、次のように書かれています。
「指導する語数については、これまでの実績や諸外国における外国語教育の状況などを参考に、実際のコミュニケーションにおいて必要な語彙を中心に、小学校で600〜700語程度、中学校で1,600〜1,800語程度、高等学校で1,800〜2,500語程度」
| 学校段階 | 指導する語数(公式表記) |
|---|---|
| 小学校 | 600〜700語程度 |
| 中学校 | 1,600〜1,800語程度 |
| 高等学校 | 1,800〜2,500語程度 |
出典は文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」で、2026年9月11日に本文を確認しました。
この3つを単純に足すと、高校卒業までに扱う英単語はおよそ4,000〜5,000語になります。ただしこの足し算は私が行ったもので、文部科学省が合計値として示している数字ではありません。
同じ解説には、中学校の語数が改訂前は「1200語程度」だったことも書かれています。つまり、いま学校で扱う英単語の量は、以前より明確に増えています。
社会人が英単語を学び直すときの実務的な目安は、ここから逆算できます。「学校で扱うはずだった4,000〜5,000語のうち、いま自分が落としているのはどのゾーンか」を決めるのが、最初の作業です。
- 中学の1,600〜1,800語が抜けている感覚があるなら、そこから拾い直す
- 中学分は読めるが高校分が怪しいなら、1,800〜2,500語のゾーンを埋める
- 両方読めるなら、仕事で使う分野の語(時事・業界用語)へ進む
なお、英検の級ごとの必要語彙数を数字で書いている記事をよく見かけますが、私は出典URLを添えられる形では確認できませんでした。ですので、この記事では書きません。
英単語が覚えられない原因は3つに分かれます|英語コーチングの課題分解を借りる
「英単語が覚えられない」は、実は1つの症状ではありません。原因が違えば、打つ手も変わります。
ENGLISH COMPANYは公式サイトの特長ページで、リスニングができないという相談を3つの課題に分解して示しています。
公式の記載は「単語を知らない」「音声変化が分からない」「文法は分かるが処理が遅くてついていけない」の3つで、それぞれに対応するトレーニングとして「単語学習」「ディクテーション」「コンテンツシャドーイング」が挙げられています。
| 公式が挙げる課題 | 公式が挙げるトレーニング | 英単語学習との関係 |
|---|---|---|
| 単語を知らない | 単語学習 | 語数を増やす作業そのもの |
| 音声変化が分からない | ディクテーション | 知っている英単語が聞き取れない側の問題 |
| 文法は分かるが処理が遅い | コンテンツシャドーイング | 英単語を増やしても解決しない領域 |
出典はENGLISH COMPANYの特長ページで、2026年9月11日に確認しました。
ここが実務的に大事なところです。3つのうち英単語の暗記で解決するのは1つ目だけで、2つ目と3つ目は単語帳を何周しても動きません。
単語帳を3周したのに聞き取れるようにならない、という相談の多くは、2つ目か3つ目に原因がある状態です。
自分がどれなのかを見分ける簡単な方法があります。スクリプト(英文)を目で読んで意味が取れるかどうかです。読めば分かるのに聞くと分からないなら、原因は英単語の量ではありません。
英単語の覚え方の手順①|1日の語数と回す周期を先に決めます
ここから具体的な手順に入ります。最初にやるのは、覚える速度を決めることです。
英単語の学習が止まる典型は、「1日30語」と決めてから、その30語を完璧にしようとして1時間かかり、翌日に嫌になるパターンです。
これを避けるには、1回あたりの完成度を下げて、周回数を増やします。1周目は「見たことがある」で通過させます。
- ①ゴールの語数と締切を決める(例:1,800語を6ヶ月)
- ②1周の日数を決める(例:1,800語を30日で1周=1日60語)
- ③1語あたりの持ち時間を決める(例:5秒。意味を見て、音を1回聞くだけ)
- ④同じ範囲を月ごとに回す(6ヶ月で6周)
1日60語×5秒なら5分です。5分なら、通勤の電車1本で終わります。英単語の覚え方でいちばん効くのは、1回を短くして回数を増やす設計です。
この「短く・何度も」の考え方は、私が独自に言っていることではありません。プログリットは公式サイトで、学習習慣化の枠組みとして行動経済学に基づく「学習習慣化の3ステップ」を示しています。
そのトリガーの説明のなかに、「例えば、家を出たらシャドーイング、電車に乗ったら単語学習など。学習の前に必ず行う行動を定めることで、無理なく学習を習慣の軌道に乗せていくことができます」という一文があります。
出典はプログリット「学習習慣化の3ステップ」で、2026年9月11日に確認しました。
英単語の学習を「電車に乗ったら」という既存の行動に紐づけるのは、公式サイトが例として挙げている方法そのものです。意志の力に頼らない設計にします。
英単語の覚え方の手順②|意味だけでなく音をセットで入れます
2段目です。ここを飛ばすと、英単語は増えるのに会議で聞き取れない、という状態が残ります。
トライズは公式サイトのトップページで、この問題を具体例つきで説明しています。
公式の記載は「バイデン大統領の就任演説の94.6%は中学レベルの簡単な単語でした。知っている単語ばかりでも英語が聞き取れない原因は『音と意味の紐づけができていない』から」です。
続けて「例えばLocal。ネイティブは『ロコ』に近い発音ですが、『ローカル』と認識していると理解できません」とも書かれています。
出典はトライズの公式サイトで、2026年9月11日に確認しました。
94.6%という数字が示しているのは、聞き取れない原因の大半が語数不足ではないということです。頭の中の音の形が、実際の音とずれています。
| やり方 | 入るもの | 聞き取りへの効き方 |
|---|---|---|
| 意味だけ見る | 綴りと日本語訳 | 読めば分かるが、聞くと分からない |
| 意味+音を1回聞く | 綴り・訳・実際の音 | 音から意味に届くようになる |
| 意味+音+自分で1回言う | 上記+自分の発音 | 話すときにも出てくるようになる |
英単語アプリや単語帳の音声機能をオフにしたまま進めている方は、今日ここだけ変えてください。1語あたり2秒増えるだけで、入り方が変わります。
シャドプラスというアプリも、学習の4ステップの1つ目に「単語」を置いています。公式の説明は「英文に含まれる重要な単語やフレーズについて、意味と発音を確認します」です。
意味と発音を、別々ではなく同じステップで確認する。この設計は、私が現場で見ていて理にかなっていると思います。出典はシャドプラスの公式サイトです。
英単語の覚え方の手順③|チャンクと本文の中で回収します
3段目は回収です。単語帳の中だけで完結させず、文章の中で同じ語に再会させます。
ENGLISH COMPANYは学習フェーズの説明の中で、単語より1段上の単位として「チャンク」を置いています。
公式の定義は「チャンクリーディングとは、英文を意味のかたまり(チャンク)ごとに理解していく読解法。日本語訳に頼らずに英語を文頭からイメージで読めるようになる」です。
出典はENGLISH COMPANYの高密度学習ページで、2026年9月11日に確認しました。
英単語を「1語=1訳」で覚えたままだと、文の中に出てきたときに止まります。逆に、同じ語をチャンクの形で何度も見ていると、訳を挟まずに意味が浮かぶようになります。
- 単語帳の周回は「見たことがある」を作るための作業と割り切る
- 回収は、ニュース記事や教材の英文を読む/聞くときに行う
- 本文で再会した語には印をつけ、次の周回でその語を優先する
- 本文で一度も出てこない語は、当面の優先度を下げてよい
回収に使う教材について、STRAILは公式サイトで「『Nikkei Asia』や『The Japan Times Alpha』のニュース記事を教材にトレーニングができる自習用アプリ」を用意していると書いています。
その狙いとして「日々の学習を通して、最新の時事英語で使われる語彙や表現力を強化できます」とも記載されています。
仕事で英語を使う方の場合、回収先はニュース記事が現実的です。業務で出てくる語と重なる率が高いからです。
英単語をどこまでやるべきか|各社の公式記載は「必要に応じて」で揃っています
ここは意外に思われるところです。英語コーチング各社は、英単語の暗記を学習の中心には置いていません。
トライズのスピーキング本科の学習内容一覧を見ると、英単語学習の頻度は「必要に応じて」と書かれています。
公式の説明は「英語を話す上では、中学校レベルの英単語があれば十分です。そちらに不足が見られる場合や、TOEIC対策などの英語テストのスコアアップを狙う際は、英単語もしっかり学習していきます」です。
| サービス | 公式サイトでの英単語の位置づけ(要約せず原文に近い形) |
|---|---|
| トライズ | 英単語学習は「必要に応じて」。「英語を話す上では、中学校レベルの英単語があれば十分です」 |
| ENGLISH COMPANY | Phase 0(基本文法・基本語彙)で「基本単語を習得しつつ」パターンプラクティスに取り組む |
| プログリット | 「単語・文法・例文の基礎知識をインプットし土台作り(=知識データベースの充実)をすることが重要」 |
| STRAIL | 自習用アプリのニュース記事で「最新の時事英語で使われる語彙や表現力を強化できます」 |
プログリットの記載は「英会話の5ステップ」のページにある「知識データベース」の説明の一部です。出典はプログリット「英会話の5ステップ」です。
4社に共通しているのは、英単語を「土台」として扱っていることです。土台なので必要ですが、土台を積み続けても建物は建ちません。
私が現場で伝えているのも同じ順序です。中学レベルの英単語に穴があるなら埋める。埋まったら、英単語の周回時間を減らして、読む・聞く・話すの時間に振り替えます。
英単語の覚え方を突き詰めても、話せるようにはなりません。この線引きを最初に知っておくと、無駄な半年を使わずに済みます。
英単語の穴を人に見てもらう場合|英語コーチング各社の料金を公式表記どおり並べました
自分の英単語の穴がどのゾーンにあるかを自力で判定するのは、正直むずかしいところです。人に測ってもらう選択肢も並べておきます。
以下は各社の公式サイトに書かれている金額です。表記の税込・税抜も公式に合わせています。
| サービス/コース | 期間 | 公式表記の金額 | 自主学習の時間(公式表記) |
|---|---|---|---|
| ENGLISH COMPANY パーソナルトレーニングコース | 90日 | 入会金55,000円+受講料561,000円(いずれも税込) | 1日1.5時間 |
| ENGLISH COMPANY 初級セミパーソナルコース | 6ヶ月 | 入会金55,000円+受講料264,000円(いずれも税込) | 1日1時間〜1時間半程度 |
| STRAIL ビジネス英語コース | 3ヶ月 | 入会金55,000円+受講料336,600円(いずれも税込) | 1日1時間 |
| プログリット ビジネス英会話コース | 2ヶ月 | 457,600円〜(税込・入会金55,000円を含む) | 毎日3時間 |
| トライズ スピーキング本科 | 12ヶ月 | 874,000円〜(税抜)/961,400円(税込) | 1日3時間・1年で1,000時間 |
| シャドプラス バリュープラン | 月額 | 4,378円(税込・税抜3,980円) | 1日15分から |
この表で見ていただきたいのは金額よりも右端の列です。1日1時間か3時間かで、続けられる人の条件がまったく変わります。
ENGLISH COMPANYは公式サイトで「一般的な英語コーチングで必要とされる自主学習は1日3時間。ENGLISH COMPANYなら半分の時間で高い学習効果が得られます」と書いています。
プログリットとトライズが公式に「3時間」と書いているので、この比較の前提そのものは公式同士で一致しています。
英単語の穴を埋めるだけが目的なら、いちばん安いのは月額4,378円(税込)のアプリです。ただしアプリは、あなたの穴がどこにあるかを判定してはくれません。
判定まで含めて任せたい場合の入口としては、週1回60分のコンサルティングに絞ったSTRAIL(ストレイル)が、コーチングのなかでは時間の負担が軽いほうです。
ただしSTRAILには対象レベルの記載があります。公式のよくある質問には「STRAILは英語中級〜上級者(目安:TOEIC600〜900点程度)の方を主な対象としています」と書かれています。
同じページには「中学英語の復習から始めたいという方や、TOEIC600点未満の方には、姉妹サービスのENGLISH COMPANYのパーソナルトレーニングコースまたは初級セミパーソナルコースをご案内しております」とも書かれています。英単語の土台から直したい方は、こちらが該当します。
ENGLISH COMPANYの初級セミパーソナルコースは、公式に「TOEIC L&Rのスコアが500点未満の方が対象です」と明記されています。
英単語の覚え方でやらないほうがいいこと3つ
ここまでが手順です。逆に、私が現場でやめてもらっていることも書いておきます。
- ①1周目から完璧に覚えようとする(1語あたりの時間が伸びて、周回が止まります)
- ②複数の単語帳を並行する(再会の回数が分散して、どれも定着しません)
- ③音を再生せずに綴りだけ見る(読める英単語と聞ける英単語がずれたままになります)
②について補足します。英単語の定着は「何回その語に会ったか」でほぼ決まります。2冊を並行すると、1冊あたりの再会回数が半分になります。
1冊を6周するほうが、2冊を3周ずつするより結果が出ます。英単語の覚え方で迷ったら、選択肢を減らす方向に倒してください。
③についても補足します。ENGLISH COMPANYが挙げている課題の2つ目「音声変化が分からない」は、綴りを見て覚えるやり方では一生埋まりません。
音声変化というのは、公式の定義では「ネイティブ特有の省エネ型の発音。法則性を理解して発音練習を繰り返すことで、聞き取りが楽になる」ものです。
英単語の覚え方についてよくある質問
1日に何語がちょうどいいですか
語数ではなく「1回を何分にするか」から決めてください。5分で終わる量が、あなたの1日の語数です。
公式情報として引けるのは、ENGLISH COMPANYの自主学習1日1.5時間、プログリットとトライズの1日3時間という総学習時間の記載までです。そのうち何分を英単語に充てるかを示した公式の数字は、私が確認した範囲では見当たりませんでした。
英単語アプリと紙の単語帳はどちらがいいですか
音が再生できるほうです。紙の単語帳でも音声ダウンロードが付いていれば同じです。基準は媒体ではなく、音が入るかどうかです。
英単語を覚えれば英語を話せるようになりますか
なりません。トライズが公式に「英語を話す上では、中学校レベルの英単語があれば十分です」と書いているとおり、話すことのボトルネックは語数ではないケースが大半です。
プログリットの「英会話の5ステップ」では、話すまでの流れが概念化・文章化・音声化の3ステップに分解されています。英単語はこの3つを支える「知識データベース」側にあたります。
英単語の学習に終わりはありますか
目的の範囲で区切れば終わりはあります。学習指導要領の数字を借りるなら、高校卒業までに扱う4,000〜5,000語程度がひとつの区切りです(この合計は私の足し算です)。
まとめ|英単語の覚え方は「語数を決めて、音と一緒に、場面で回収する」
最後に、この記事の手順を1枚にまとめます。
| 手順 | やること | 根拠にした公式情報 |
|---|---|---|
| ①語数を決める | 小600〜700/中1,600〜1,800/高1,800〜2,500から自分のゾーンを選ぶ | 文部科学省 学習指導要領解説 |
| ②回す速度を決める | 1回を5分にして周回数を増やす。既存の行動に紐づける | プログリット「学習習慣化の3ステップ」 |
| ③音をセットで入れる | 意味を見たら音を1回再生する | トライズ公式(就任演説の94.6%) |
| ④場面で回収する | ニュース記事などの本文で同じ語に再会させる | ENGLISH COMPANY(チャンクリーディング)/STRAIL(時事英語) |
| ⑤やめどきを決める | 中学レベルが埋まったら、読む・聞く・話すへ時間を移す | トライズ公式(英単語学習は「必要に応じて」) |
英単語の覚え方で成果が変わるのは、教材の良し悪しよりも、①の「どこまでやるか」と⑤の「いつやめるか」を先に決めたかどうかです。
自分の穴がどのゾーンにあるか判定してほしい場合は、各社が無料体験や無料カウンセリングを用意しています。
中級以上で学習設計だけを見てほしい方はSTRAIL、中学レベルから見てほしい方はENGLISH COMPANY、まず1日15分から音を入れ直したい方はシャドプラスが入口になります。
本記事の情報は2026年9月11日時点で、文部科学省の学習指導要領解説、ENGLISH COMPANY、STRAIL、シャドプラス、プログリット、トライズの各公式サイトを確認して作成しました。
金額や条件は改定されることがあるため、申し込み前に公式ページをご自身でご確認ください。
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